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左腕王国の一角へ…清宮を5連続三振に抑えた男・櫻井周斗

2017年10月26日、プロ野球ドラフト会議が行われ、横浜DeNAベイスターズはドラフト5位で東京の日本大学第三高校のエース・櫻井周斗(さくらいしゅうと)投手を指名しました。
 
日大三高時代は投打の二刀流で活躍した櫻井。打っては高校通算30発を越えるスラッガーでありながら、投げても最速149キロの速球と、切れ味鋭いスライダーを武器に、名門を引っ張ってきた選手です。
 
プロでは投手一本で勝負するようですが、本格的に投手に専念した櫻井がいったいどこまで伸びて行くのか、その潜在能力は無限大です。
 

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小学校時代はヤクルトジュニア、名門・日大三では1年時からレギュラー

 
埼玉県所沢市で生まれ育った櫻井は、小学校1年から軟式の所沢ニュータウンヤンキースで野球を始めると、6年時には東京ヤクルトスワローズジュニアに選ばれるなど、その才能の片鱗を見せつけました。
 
中学時代は硬式の新座シニアに所属し、入部から投手。今でこそ強打者として知られる櫻井ですが、当時は打撃が苦手で、外野に飛ぶのがやっとというレベルでした。しかし2年時に左肘を故障し、野手に専念することに。すると苦手だった打撃もどんどんレベルアップし、名門・日大三に強打の外野手として進学。
 
 

清宮、安田ら東西のスラッガーをスライダーで封じ込める

 
日大三では1年秋から外野のレギュラーの座を掴むも、打撃不振に陥る時期などもあったが、懸命にバットを振り、乗り切ります。2年夏の西東京大会では、投手に故障者が続出したこともあり打席だけでなく、マウンドにも上がることになります。ここで好投し自信を深めた櫻井は、秋からは背番号8ながらエース格として試合に登板するように。
 
そして迎えた2年秋の東京都大会決勝戦。この試合で早稲田実業の清宮幸太郎(日本ハム)を5打席連続三振に斬って取り、櫻井の名が全国に轟くこととなりました。
 
翌春のセンバツに出場した櫻井は、ここでも履正社のスラッガー・安田尚憲(ロッテ)からスライダーで3打席連続三振を奪い、名を上げます。
 
後にドラフト1位でプロ入りする東西のスラッガーたちをきりきり舞いさせた切れ味抜群のスライダーを武器に、櫻井は最後の夏を目指します。
 
 

早実との激しいライバル争いからのジャパンでの共闘

 
日大三と早稲田実業は同地区ということもあり、ライバル関係が続く仲でもあります。特に清宮世代が入学してからは互いにハイレベルな争いを続けており、それは3年になるとますますヒートアップしました。
 
秋に続き、春季東京都大会決勝でも両校が顔を合わせると、東京都高野連は異例の措置として、試合をナイター開催。その異常なまでの人気への対応に追われます。
 
そして試合も異様な展開に。夏の戦いを見据えた日大三は、エース・櫻井を温存し、外野で起用。すると両校の猛打がさく裂し、延長12回の激闘の末、18-17で早稲田実業が勝利しました。両校合わせて7本塁打が飛び交う試合で櫻井自身も右翼席への豪快な一発を放つなど、打撃で魅せたました。
 
最後の夏は準々決勝で東海大菅生に敗れて再戦はなりませんでしたが、激しい戦いを繰り広げてきた清宮とはこの後チームメイトとして世界大会を戦うことになりました。清宮とともに侍ジャパンU-18のメンバーに選ばれた櫻井は、主に指名打者・外野手として出場し、侍ジャパンの3位に貢献しました。
 
 

プロでは投手一本、左腕王国の一角へ

 
投打でともに超高校級の能力を持つ櫻井ですが、プロでは投手として勝負することになるようです。入団会見では「キレのあるスライダーと、ここぞというときの勝負強さ」をアピールした櫻井。
 
近年のDeNAはドラフトで獲得した左腕が次々にチームの主力級に成長しています。2013年育成1位の砂田毅樹、2014年2位の石田健大、2015年1位の今永昇太、2016年1位の濵口遥大らはチームに欠かせない選手に成長しました。
 
この他にも田中健二朗、エスコバーら中継左腕の活躍が、今季のDeNAを支えました。ここに、2017年1位の東克樹も加わる来季は左腕王国への道を歩む年となります。ここに数年後、剛速球とスライダーを武器とする櫻井が加われば、まさに左腕王国となります。
 
そのためにもまずはプロで戦える身体づくりが何より大切になってきます。DeNAになってからは高卒投手の育成にしっかりと時間をかけており、この3年間だけでも3年目の飯塚悟史、2年目の綾部翔が一軍初勝利を挙げ、1年目の京山将弥もファームでチームトップの99.1回を投げて6勝を挙げるなど、着実にステップアップしています。
 
この育成システムに沿って櫻井もしっかり鍛えれば近い将来の一軍マウンドも夢物語ではなくなります。そのためにもまずはじっくりとプロ仕様の体を作ることです。基礎をしっかり鍛えれば、まだまだ球速も伸びるでしょうし、それがいずれはチームのためにもなります。
 
来年はファームが主戦場となるでしょうが、焦らず、着実に力をつけて将来のDeNA投手陣を背負って立つ存在に成長してもらいたいです。櫻井周斗の名を覚えておいてくださいね!
 
 

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