セ・リーグ3位からの下剋上を見せ、19年ぶりの日本シリーズ進出を果たした2017年の横浜DeNAベイスターズ。今季は10勝を挙げたドラ1・濵口遥大を始め、進藤拓也、水野滉也、細川成也など、多くの新人が輝きを放ちました。
中でも僕が注目しているのは、明治大学からドラフト9位、全体84番目でプロ入りしたスラッガー・佐野恵太です。
下位指名から勝負強い打撃で開幕一軍をつかみ取り、シーズン終了後には台湾で行われたアジアウィンターベースボールリーグで大活躍を見せた佐野の未来を考えてみます。
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名門・広陵で遊撃手から捕手に転向
小学1年時に投手として野球を始めた佐野は、中学時代は硬式の倉敷ビガーズ(ヤングリーグ)で投手兼三塁手として活躍し、全国大会準優勝。ジャイアンツカップにも出場を果たします。U15日本代表に選出されるなど、当時からトップレベルの選手として活躍を見せました。
広島県の名門・広陵高校に進学すると、2年春からベンチ入りし、夏には2番二塁として出場。2年秋からは強肩を評価されて捕手に転向し、最後の夏は捕手として出場しましたが、3回戦敗退を喫し、甲子園出場はなりませんでした。
明大では通算6本塁打&全国制覇!慶大・加藤からも一発!
東京六大学の強豪・明治大学に進学した佐野は、2年春にリーグ戦デビューを果たします。2年秋の立教大戦では初本塁打を放つなど、チームの優勝に貢献し、明治神宮野球大会に出場。徳山大戦で2ランを放つなど、高校時代には縁がなかった全国の舞台で輝きを見せます。出場がなかった決勝戦では駒澤大学と対戦し、後にチームメイトとなる今永昇太の前に敗れ、優勝はなりませんでした。
3年春からスタメンに定着すると、3年秋、4年春には一塁手としてベストナインを獲得。3年春には全日本大学野球選手権、4年秋には再び明治神宮野球大会に出場すると、同期の柳裕也(中日)、星知弥(ヤクルト)らとともに全国制覇を達成。佐野も12打数4安打の活躍でチームに大きく貢献しました。
リーグ戦通算6本塁打(うち1本は広島にドラフト1位で入団する慶大・加藤拓也から)と、六大学屈指の左の強打者として2016年のドラフト会議でDeNAから9位指名を受け、プロ入りを果たしました。
キャンプからアピールし開幕一軍、台湾WLではイースタン選抜4番
ドラフトの指名順は全体84番目で、セ・リーグ最後(支配下)の指名でしたが、ここから佐野は評価を急上昇させます。ドラフト会議後の明治神宮野球大会で本塁打を放つと、新人合同自主トレでもアピール、2月の春季キャンプでは一軍メンバー入りを果たします。
2月に入っても佐野の勢いは止まらず、ヤクルトとの練習試合では逆方向への一発を放つなど、猛アピール。オープン戦でも結果を残し、開幕一軍切符を掴みます。
シーズンでは主に代打で18試合に出場し、21打数2安打とプロの壁に阻まれましたが、ファームでは打率.255(243打数62安打)、11本塁打、35打点とチーム二冠の活躍。さらにオフに台湾で行われたアジアウィンターベースボールリーグではイースタン選抜の4番に座り、打率.364(55打数20安打)、5本塁打、17打点という好成績を残し、大会最優秀打者に輝きました。
決勝リーグでも佐野のバットは止まらずチームを優勝に導き、見事大会MVPに選出されるなど、充実のオフシーズンを過ごしています。
強打に加え捕手、内野手、外野手を守れるユーティリティ
鹿児島・奄美で行われた秋季キャンプでは、内野の他に外野、捕手の練習もこなすなど、さらなる進化を見据えている佐野。本職の一塁の他に、高校時代に守った捕手、一軍でも守った外野など、幅広く練習することで、出場機会を増やそうと励んでいます。
DeNAの一塁手と言えば、2017年に打点王、最多安打、ゴールデングラブ、ベストナインに輝いた助っ人・ロペスがガッチリ座っています。さらに毎年のように助っ人外国人が来る競争の激しいポジションですから、定位置を奪うのは容易ではありません。
しかし若い時期に自らの幅を広げ、出場機会を増やすことで打撃技術も磨き、いずれば筒香嘉智の跡を継ぐような強打者へと成長してもらいたい存在です。そのためにも今は、強打のユーティリティプレイヤーとして、とにかく試合に出場したいところです。
将来は筒香の後継者としてベイスターズの主砲へ
今のベイスターズには細川成也、網谷圭将と言った、将来を嘱望される右のスラッガーが控えています。左の佐野もここに加わり、次世代のクリンナップ候補として、力をつけていってもらいたいですね。
台湾では同期の高卒新人(細川、松尾大河、京山将弥)たちをまとめるなど、リーダーシップも備える佐野が、今季はどんな活躍を見せてくれるのか今から楽しみです。
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