ベイスターズ史上初の大卒新人左腕二桁勝利！ハマのハマちゃん・濵口遥大

今季、セ・リーグ3位からクライマックスシリーズを勝ち抜き日本シリーズ進出を果たした横浜DeNAベイスターズ。「下克上」とも言われたその躍進は、この男抜きには語れないでしょう。

2016年のドラフト会議で神奈川大学からドラフト1位で入団したルーキー・濵口遥大。シーズン開始前にここまでの活躍を見せると予想できた方は少ないのではないでしょうか。

「好調時は田中正義（創価大から5球団競合の末ソフトバンク入団）並の投球を見せるが、好不調の波が激しく、悪い時はストライクも入らない」というのが入団当初の濱口の評価でした。そこからいったいどうやってここまでの活躍を見せるまでになったのか、濱口のこれまでを振り返ってみます。

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高校では最速140キロも全国的には無名の投手

小学1年時に野球を始めた濱口は中学時代までは学校の軟式野球部に所属。佐賀県立三養基高校進学後に投手に専念し、1年秋から公式戦に登板するようになります。3年春にはエースとして県大会8強に進出するなど実力をつけますが、最後の夏は3回戦で敗退し、甲子園出場はなりませんでした。小柄ながら最速140キロを記録するなど、地元では好左腕として知られるも、大きな実績は残せませんでした。

神奈川大学で全国準V！剛球左腕として才能が開花

神奈川大学野球連盟の神奈川大に進学すると、1年春からリーグ戦に登板し、頭角を表します。秋にはエース格に成長し、新人賞も獲得するなどその才能を発揮。2年春には150キロを叩き出すなど成長を見せ、リーグ戦4勝を挙げ優勝に大きく貢献。全国大学野球選手権でもチームを準優勝に導くなど、その名を轟かせました。

魔球・チェンジアップを武器に20勝、ドラフト1位でプロ入り

3年春にも全国4強に進出するなど、全国屈指の左腕として評価を上げる。4年春のDeNA2軍との練習試合では先発し3回を投げて無安打3奪三振の好投。夏には日米大学野球のメンバーに選出され、第3戦にリリーフ登板すると3回2安打無失点の好投を見せ、世界レベルでも通用することを証明。150キロの剛速球と魔球・チェンジアップを武器にリーグ戦通算20勝を挙げると、その年のドラフト会議でDeNAから1位指名を受けました。

開幕からローテを守り二桁勝利達成、CS、日本シリーズでも好投

田中正義、佐々木千隼（ロッテ）の外れ外れ1位指名として入団した濱口は、一部では好不調の波が激しいことが不安視される投手でもありました。2年時に全国準Vを果たすなどその才能は素晴らしいものを持っていましたが、大学最後の試合となった共栄大との4年秋の関東地区大学選手権では、1週間前にできたマメの影響もあり1死しか取れずに5失点降板を喫するなど、悪いときの投球が課題でした。

しかしプロ入り後は1年先輩の今永昇太のアドバイスなどもあり制球が安定。これまでのベイスターズにはいない、剛球左腕として先発ローテーションに入ります。適度に荒れ球なことが功を奏し、直球とチェンジアップ、カーブなどの組み合わせで三振の山を築いた濱口。走者を出し、幾度となく満塁のピンチを迎えるも、そこからギアを入れ替え、剛速球をど真ん中に投げ込む度胸の良さも見せ、チームの躍進に貢献しました。